筋肉はマッサージやストレッチ以外でも柔らかくすることができます。
今回は筋肉の性質を利用し、柔らかくする「相反抑制」をご紹介します。
主導筋と拮抗筋を理解しよう
関節を動かすときに筋肉には主導筋と拮抗筋という関係性があります。
例えば肘の運動で考えてみませよう。
肘を曲げる運動は上腕二頭筋により行われます。反対に肘を伸ばす運動は上腕三頭筋によって行われます。
「肘を曲げる運動」を主として考えた場合、主導筋は上腕二頭筋になり、拮抗筋は反対の上腕三頭筋になります。
逆もまた然り
「肘を伸ばす運動」を主として考えた場合、主導筋は上腕三頭筋になり、拮抗筋は反対の上腕二頭筋になります。
この筋肉の関係性は体の中にいくつもあります。
- 大腿四頭筋ーハムストリングス
(膝の伸展ー膝の屈曲) - 腸腰筋ー大臀筋
(股関節の屈曲ー股関節の伸展) - 小胸筋ー前鋸筋
(肩甲骨の下方回旋ー肩甲骨の上方回旋)
これらの筋肉の位置関係がわかると主導筋と拮抗筋のイメージができると思います。
相反抑制とは?
主導筋と拮抗筋を理解したところで、これが「相反抑制」とどう関係するのでしょうか?
次は大腿四頭筋とハムストリングスを例に考えてみましょう。
膝の伸展を行うとき、主導筋である大腿四頭筋が収縮して膝が伸展します。
この際、拮抗筋であるハムストリングスは弛緩し筋肉が伸ばされます。
おっと…
大腿四頭筋を使ったのにハムストリングスが緩んで伸びていませんか?
これが「相反抑制」です。
相反抑制をどう利用するのか?
一言で表すと
「柔らかくしたい筋肉の反対を使う」です。
お尻の筋肉が硬い方はストレッチやマッサージをしてお尻の筋肉を伸ばしたり、柔らかくしたりしていると思います。
繰り返しているけどなかなか柔らかくならない…
なんて方は反対の腸腰筋を使うエクササイズを行うことで緩めることができます。
なぜ相反抑制を利用するのか?
柔らかくなるならストレッチやマッサージでも変わらないじゃん!と思われたかもしれません。
実は、硬くなっている筋肉の反対側の筋肉はなが〜く伸びてしまっていることが多いです。
ストレッチやマッサージでは硬くなった筋肉のみにアプローチしています。
その筋肉は柔らかくなるかもしれませんが、反対のなが〜く伸びきってしまった筋肉は機能が低下したままの状態です。
ここを改善できないとなかなか筋肉のバランスが改善されません。
鍛えながら伸ばす「相反抑制」
少し意識してエクササイズを組んでみてください!
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