硬いだけじゃない!しゃがみこみができない理由

みなさんこんにちは。

小さいときに学校の集会などで地面に座る機会って多かったですよね。
そのときに、例えばグラウンドで地面にお尻をついてしまうと
汚れちゃうから、どすんと座るのではなくてしゃがみこむみたいな
ケースが多いと思うんですが、
そのときしゃがみこめない子ってクラスの中に何人かいませんでしたか?

それが、アキレス腱が硬いからって思っている方多いと思います。
ただ、それだけではないかもしれませんよというお話をしていこうと思います!

目次

しゃがみ込みに必要な関節角度

しゃがみ込みにはある程度の関節が動く可動域は必要になります。
ある研究結果からは、足関節背屈 33.3±7.5̊,膝関節屈曲 135.6±6.1̊,
股関節屈曲 91.2±2.3̊
 は必要という目安が出ています。

さらに、別の研究結果からは、しゃがみ込みが可能な足関節背屈角度として、
自動背屈角度は、14.3度、他動背屈角度は36.5度
とのデータや
他にも、足関節背屈可動域が10度未満では、全例しゃがみ込み困難で、
20度以上であれば全例可能
であったという研究データも出ています。

これらを見ていくと確かにある程度の可動域は必要なことがわかります。

柔軟性以外にも重要なポイント

しかし、それ以外にもしゃがみ込みができない要因はあると
考えられています。どんなことなんでじょうか?

考えられるポイントの例としては、

①バランス機能の低下
②支えるだけの筋発揮が正しく行えない
③骨連鎖の破綻

①〜③のようなものがまずは簡単に挙げられます。

バランス機能の低下と筋力

しゃがみ 込み姿勢は股関節,膝関節,足関節の大きな関節可動域 を必要とすると

言われていますが、下肢の柔軟性に加えて,下肢を中心とした筋力の低下が,

この姿勢のバランスを悪くしている可能性がある

しゃがみ込み姿勢のバランスを規定する要因 ─ 足関節の柔軟性に加えて下肢・体幹の筋活動に着目して─
畠山 穂高 1) 佐々木 誠 2)
理学療法科学 36(4):607–610,2021

上記のように言われています。

また、上記よりバランスを崩してしまう要因の一つとして、
足関節背屈筋や腹直筋、頸部屈曲筋の筋発揮の不足が考えられています。

もちろんバランスを規定する因子としては、
足底の中での重心移動を能力する、脳からの指令、感覚の部分もあると思いますが、
純粋に筋力の低下からくるバランス機能の低下も影響するようです。

それが、足関節背屈が硬くなればなるほど、重心が後ろへ移動してしまうため、
それを支えるだけのパワーがより必要になってくるわけなんですね。

骨連鎖とは?

3つ目の骨連鎖についてです。

本来、人間の体は、骨の動きがそれぞれ影響しあって、連鎖することで
効率よく動くことができるというシステムになっていますが、
その骨連鎖の中でどこかがうまく働かなくなってしまうと、
その動きが阻害されて、他の部分もうまく動かなくなってしまうという話です。

今回見ている下半身についても同様です。

しゃがみ込みの時には股関節が90度以上大きく屈曲する必要があるとのことでしたが、
実は純粋な股関節(寛骨大腿関節)屈曲は70度と言われています。

そこから、23度分は股関節前面の圧迫や軟部組織の柔軟性によるものと言われ、
さらにそこからは、40度分骨盤の後傾がはいることで股関節を大きく屈曲させることができます。

結論

体感的には、しゃがみ込みの際90度以上屈曲させることが多いと思っているので、
足関節の可動域を保つことはもちろんのこと、しっかりと股関節の屈曲の動きに
対して、骨盤が後傾し、腰椎が後弯する動きのパターンを獲得することが
しゃがみ込みをスムーズにさせるのではないかなと思っています。

実際に、股関節や骨盤周りにしかアプローチをしていないのに、
しゃがみ込みができるようになった方はここ1ヶ月くらいだけでも何人か
いらっしゃいました!

よければ参考にしてください!


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