「小さい頃からいろいろな遊びや経験をさせたほうがいい!」
ざっくりですがこのようなことを一度は聞いたことがあると思います。
なぜこのようなことが必要なのでしょうか?
今回は、脳の前頭葉に着目し運動と認知機能の関係性についてお伝えします。
そもそも前頭葉ってなに?
前頭葉は脳の前側にあり、比較的遅れて大きく成長する領域です。主に認知機能と実行機能に関与しています。
物事を計画することや、融通の利く行動、注意力、衝動や行動を抑制する力などです。
幼い子供は目先のことにのみ気が向き、衝動的に行動しがちです。これは前頭葉の発達に関係していて、実行する能力は年齢に沿って発達していきます。
これらのことは6歳ごろから始まるものの、すべての実行する能力が同時に発達するわけではありません。6歳と12歳では行動がかなり違いますよね。体験し少しづつ学んでいくことで機能を高めていきます。
求められていない行動をよりうまく制御できるようになっていき、次第にあまり衝動的ではなくなっていきます。
7歳ごろから計画を立てられるようになり、12歳ごろから主導権を握り、自分で戦略的に考え行動し始めます。
社会的に望ましい行動を判断する力も12歳ごろには発達します。このころになると社会の一部になれるような行動、服装、言語に気を配って選択できるようになります。
さらに自分の行動を長期的な目線で考えられるようになります。
前頭葉はいつまで発達するの?
脳の神経回路は生まれたときにはそろっていますが、25歳まで発達して成熟します。
そのなかでも前頭葉は結果の予測や感情の制御に関与した領域で、ここの成熟は25歳前後で完了するとされています。
さらに脳の発達から考えても20代後半までは身近にいる大人や環境の影響を大きく受けます。
運動発達と認知機能
子供の運動発達を見るときに、認知発達がとても重要です。
子供の認知能力は運動発達において計画し、振り返り、自分を評価し、抑制するのに伸ばすべき潜在的な能力です。
これらの認知機能が発達する時期には偏った遊びや運動、スポーツだけではなく、走る、飛ぶ、転がる、などたくさんの動作や打つ、投げる、つかむなど道具を使った刺激も大切です。
スポーツですと野球やサッカー、バレーボール、体操、水泳、テニスなどそれぞれのスポーツで体の使う筋肉や動作が異なります。
公園での遊びも同じで、鉄棒、ブランコ、ジャングルジム、砂遊び、すべり台など体のありとあらゆる所を使いながら考えることをします。
認知機能における運動の効果
運動がいかにして抑制、計画、注意などの認知機能によりよくはたらくか、様々な研究から運動や身体を動かす活動が、脳内で記憶にかかわるホルモンを分泌することが分かっています。
- 運動が新しい血管の形成と新しい神経の生成を促している
- 短時間での穏やかな刺激の身体活動のあとですら、主に脳内で血の巡りをよくするのに関与すると思われる抑制、注意の機能に改善が現れる
- 学校でよりおおくの体育の授業を経験した子供は、学業でよりよい成績を収め、より集中力を保ち、教室内での態度もよかった
一方、肥満とテレビ視聴は学業や認知機能に負の関係がみられるようです。
まとめ
運動能力と認知機能は切っても切り離せません。
運動をすることで認知機能を高めることができ、運動能力を高めるために認知機能もセットで向上させる。
そのためにも偏った運動や遊びをするのではなく、いろいろな遊びや経験をすることが大切ですね。
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